2014年04月06日
バニラ・エアの運航予定
今回は7月のバニラ・エア奄美就航の概要や必要なことを中心に書きたいと思います。
まず、運航概要はバニラ・エアのホームページや各マスコミなどに取り上げられていて
すでにご存じの方も多いと思いますが。分かり易く整理すると
成田10:30発 奄美12:55着バニラエア821便 (1:15) 奄美14:10発 成田16:30着バニラエア822便 7/1-8/31
成田14:50発 奄美17:15着バニラエア821便 (0:40) 奄美17:55発 成田20:15着バニラエア822便 9/1-9/30
成田08:15発 奄美10:55着バニラエア821便 (0:35) 奄美11:30発 成田13:40着バニラエア822便 10/1-10/25
となっていて運航機材はA320の単一機材なのですがバニラのこの機材は現在5機運用していて
3号機までは新造機の席数180席のLCC仕様に機体で、
4,5号機は今年までANAが使用していた中古機の席数166席になります。
奄美路線では需要の問題から初期運用では166席仕様の中古機が回ってくる可能性が高いです。
(166席仕様機材はオーブン未設置のため温める食事は提供不可)
ちなみに噂だと6号機もANAからの中古機で運用される予定で
中古機グループは約半年のみの運用計画で順次新造機への変更も計画されているようです。
http://www.aviationwire.jp/archives/33455
http://flyteam.jp/airline/vanilla-air/news/article/32029
運航機材のA320は欧州国際協同会社であるエアバス社の製造した近・中距離向け商業旅客機で
座席数は標準2クラス仕様で150席程度、世界的にはシリーズ全体で5,000機以上販売されている機体で
とくに先進コクピットなどの簡便な操縦システムや貨物用コンテナの標準装備など運用のしやすさから
欧米のある程度整備された空港を運用している国々を中心に売れている機体です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%90%E3%82%B9A320
ただ貨物用コンテナは従来の規格の幅や奥行きはほぼ同じなのですが高さが機体の大きさから制限されていて
コンテナ化によってスペース効率の良さ、濡損・破損可能性の低下、
貨物の取扱時間の短縮による次便までの駐機時間の短縮化などの利点のある一方、
コンテナ専用地上支援機材の必要性などの欠点もあります。
そして、バニラ奄美空港就航に必要なものは前回も書きましたが
奄美空港はA320の運用実績はなく、
現状、運用実績がある旅客用ジェット機は
ボーイング737シリーズとマクドネル・ダグラスMD-80.90シリーズで
これら運用実績のある機体は
いずれもコンテナは使用できない(バラ積み)で乗降用タラップ内蔵の機体だったため
コンテナ運用化と乗降方法は大きなハードルになると思います。
1.搭乗手続き用空港カウンターとその人員
現在、空港1階の既設カウンターはJAL系が全て使用、
旧ANK時代のカウンターは表がお土産店が使用しバックヤードもアマロミさんが店舗スペースとして利用しているので
カウンターに戻すのは至難の業でしょう。
スカイのように仮設カウンターの可能性が高く、運用人員も初期は客室乗務員が兼務する可能性が高い。
(7/1-8/31は最短35分のA320の次便までの駐機作業時間を1時間15分とっているので対応可能?)
2.航空整備士
規定により運航毎の整備士立ち会いの確認が必要なため
初期運用はスカイのように営業便に同乗してきて運用する可能性が高い。
3.空港地上支援車両とそれを運用する人員
JAL系が委託している日本管財への全面委託は難しいので他の委託先を探す?
特に車両はコンテナを取り回したり、乗客が乗降したり、航空機に電源を供給したりする特殊車両のため
(初期運用は必要最低限機材のみ日本管財へ委託?)
まずそれら車両をそろえないといけないし、一往復便のためにそれだけの投資を出来るのか?
ここまで書いてもう一つの可能性が出てきていて
同じANA系列の関空拠点のピーチアビエーションの奄美就航の可能性があるとのことが某有名掲示板では噂になっていて
その根拠が先日のバニラエア社長の鹿児島県庁訪鹿時に時を同じくしてピーチの社長も鹿児島を訪れていたとの情報があり
そのときに未確認ながら鹿児島を次の拠点にする考えがあるとの発言があったとの噂が出てきています。
現在、ピーチは関空起点に国内9カ所に就航、鹿児島へは2012年4月から就航していて現在基本2往復運航しています。
こちらは設立が先行した分、機材にも余裕があり、拠点も7月からは那覇を第二拠点として展開することを発表していて、
今後も拡大成長経営をする方針であると想像され、
鹿児島を第三拠点として鹿児島発着国際線も視野に展開していきたいと発言したとの噂があります。
その鹿児島拠点化戦略の一つに奄美就航の可能性は噂されているのです。
具体的路線としては奄美ー関空、鹿児島、那覇は可能性のある路線としてあげられます。
ピーチが就航すれば同じANA系列で使用機材も同じA320と言うことでハード面での協業使用は可能だと思います。
そうなれば一往復だけでないので先行投資する意味も出てきます。
7月からの就航は難しいでしょうけど9月からバニラが奄美での次便までの駐機作業時間を
40分まで短縮しているので就航の可能性はあるかもしれません。
ただこれだけ投資すれば撤退するのもそれなりに費用がかかるのでちょっとのことでは撤退できなくなると思います。
更に書くとこれらの動きの後ろにはANA対JALの熾烈(泥沼?)な競争が背景にあるようです。
東京オリンピックが決まり、今後、アベノミクスによる日本の景気回復によって、
航空業界も成長戦略をとることが可能な体制になりつつあり
最近では羽田空港の国際線発着枠の獲得競争が激化したこともあり、
今後もお互いに熾烈な争いが日本の各空港で行われる可能性が出てきています。
今回の鹿児島、奄美へのANA系列LCC就航のニュースはJAL系列のJACの拠点は鹿児島空港で
鹿児島県内離島空港はほぼJAL系列の独壇場なのでJAL系列に対する挑戦状を叩き付けるような行為かもしれません。
今回の鹿児島の動きに先行した争いは四国などでも起こっていて
それぞれが強かった空港に参加のLCCがお互いに新規参入して今までの航空運賃を下げる効果が出てきてはいるようです。
同じような状況はアメリカでも十数年前に起こっていて、そこから予想すると今後価格競争が進めば
今度は各航空会社の現場が疲弊して士気が下がったり
コスト削減による安全対策にお金がかけられなくなる可能性も出来て事故が起こり易い環境になる可能性もあります。
いずれにしても政府の成長戦略が着実に進むことによって
今後、航空業界も拡大成長経営の方針を打ち出す会社が増えることもが予想されることから
奄美群島もこの流れに乗り遅れないよう各航空会社に働きかけを行い
就航後にはその路線を存続させるためには
官民挙げてその路線の利用を増やす措置を継続的に行っていく必要があると思います。
最近、時期を同じくして奄美にLCC誘致を目的とするNPO法人が立ち上げられたようですが
これら組織はバニラ就航後その支援のため上記の「バニラ奄美就航に必要なもの」への支援も含み
バニラの従来の航空会社の予約システムとは違う予約システムのシマンチュに対する案内や
利用者の行動による便遅延対策などをしていかないと
スカイの撤退(運休?)のような二の舞になる可能性があるのでこれら存続支援を行い
(今回のバニラは少なくとも就航発表の時点で約3ヶ月の運航は約束されているので
その間にLCCの分益搭乗率(L/F:ロードファクター)70%越えを目標)
将来的には奄美群島振興交付金を活用しなくても
航空会社による単独運航体制に移行できるぐらい潜在的需要があると思うし可能だと思います。
まず、運航概要はバニラ・エアのホームページや各マスコミなどに取り上げられていて
すでにご存じの方も多いと思いますが。分かり易く整理すると
成田10:30発 奄美12:55着バニラエア821便 (1:15) 奄美14:10発 成田16:30着バニラエア822便 7/1-8/31
成田14:50発 奄美17:15着バニラエア821便 (0:40) 奄美17:55発 成田20:15着バニラエア822便 9/1-9/30
成田08:15発 奄美10:55着バニラエア821便 (0:35) 奄美11:30発 成田13:40着バニラエア822便 10/1-10/25
となっていて運航機材はA320の単一機材なのですがバニラのこの機材は現在5機運用していて
3号機までは新造機の席数180席のLCC仕様に機体で、
4,5号機は今年までANAが使用していた中古機の席数166席になります。
奄美路線では需要の問題から初期運用では166席仕様の中古機が回ってくる可能性が高いです。
(166席仕様機材はオーブン未設置のため温める食事は提供不可)
ちなみに噂だと6号機もANAからの中古機で運用される予定で
中古機グループは約半年のみの運用計画で順次新造機への変更も計画されているようです。
http://www.aviationwire.jp/archives/33455
http://flyteam.jp/airline/vanilla-air/news/article/32029
運航機材のA320は欧州国際協同会社であるエアバス社の製造した近・中距離向け商業旅客機で
座席数は標準2クラス仕様で150席程度、世界的にはシリーズ全体で5,000機以上販売されている機体で
とくに先進コクピットなどの簡便な操縦システムや貨物用コンテナの標準装備など運用のしやすさから
欧米のある程度整備された空港を運用している国々を中心に売れている機体です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%90%E3%82%B9A320
ただ貨物用コンテナは従来の規格の幅や奥行きはほぼ同じなのですが高さが機体の大きさから制限されていて
コンテナ化によってスペース効率の良さ、濡損・破損可能性の低下、
貨物の取扱時間の短縮による次便までの駐機時間の短縮化などの利点のある一方、
コンテナ専用地上支援機材の必要性などの欠点もあります。
そして、バニラ奄美空港就航に必要なものは前回も書きましたが
奄美空港はA320の運用実績はなく、
現状、運用実績がある旅客用ジェット機は
ボーイング737シリーズとマクドネル・ダグラスMD-80.90シリーズで
これら運用実績のある機体は
いずれもコンテナは使用できない(バラ積み)で乗降用タラップ内蔵の機体だったため
コンテナ運用化と乗降方法は大きなハードルになると思います。
1.搭乗手続き用空港カウンターとその人員
現在、空港1階の既設カウンターはJAL系が全て使用、
旧ANK時代のカウンターは表がお土産店が使用しバックヤードもアマロミさんが店舗スペースとして利用しているので
カウンターに戻すのは至難の業でしょう。
スカイのように仮設カウンターの可能性が高く、運用人員も初期は客室乗務員が兼務する可能性が高い。
(7/1-8/31は最短35分のA320の次便までの駐機作業時間を1時間15分とっているので対応可能?)
2.航空整備士
規定により運航毎の整備士立ち会いの確認が必要なため
初期運用はスカイのように営業便に同乗してきて運用する可能性が高い。
3.空港地上支援車両とそれを運用する人員
JAL系が委託している日本管財への全面委託は難しいので他の委託先を探す?
特に車両はコンテナを取り回したり、乗客が乗降したり、航空機に電源を供給したりする特殊車両のため
(初期運用は必要最低限機材のみ日本管財へ委託?)
まずそれら車両をそろえないといけないし、一往復便のためにそれだけの投資を出来るのか?
ここまで書いてもう一つの可能性が出てきていて
同じANA系列の関空拠点のピーチアビエーションの奄美就航の可能性があるとのことが某有名掲示板では噂になっていて
その根拠が先日のバニラエア社長の鹿児島県庁訪鹿時に時を同じくしてピーチの社長も鹿児島を訪れていたとの情報があり
そのときに未確認ながら鹿児島を次の拠点にする考えがあるとの発言があったとの噂が出てきています。
現在、ピーチは関空起点に国内9カ所に就航、鹿児島へは2012年4月から就航していて現在基本2往復運航しています。
こちらは設立が先行した分、機材にも余裕があり、拠点も7月からは那覇を第二拠点として展開することを発表していて、
今後も拡大成長経営をする方針であると想像され、
鹿児島を第三拠点として鹿児島発着国際線も視野に展開していきたいと発言したとの噂があります。
その鹿児島拠点化戦略の一つに奄美就航の可能性は噂されているのです。
具体的路線としては奄美ー関空、鹿児島、那覇は可能性のある路線としてあげられます。
ピーチが就航すれば同じANA系列で使用機材も同じA320と言うことでハード面での協業使用は可能だと思います。
そうなれば一往復だけでないので先行投資する意味も出てきます。
7月からの就航は難しいでしょうけど9月からバニラが奄美での次便までの駐機作業時間を
40分まで短縮しているので就航の可能性はあるかもしれません。
ただこれだけ投資すれば撤退するのもそれなりに費用がかかるのでちょっとのことでは撤退できなくなると思います。
更に書くとこれらの動きの後ろにはANA対JALの熾烈(泥沼?)な競争が背景にあるようです。
東京オリンピックが決まり、今後、アベノミクスによる日本の景気回復によって、
航空業界も成長戦略をとることが可能な体制になりつつあり
最近では羽田空港の国際線発着枠の獲得競争が激化したこともあり、
今後もお互いに熾烈な争いが日本の各空港で行われる可能性が出てきています。
今回の鹿児島、奄美へのANA系列LCC就航のニュースはJAL系列のJACの拠点は鹿児島空港で
鹿児島県内離島空港はほぼJAL系列の独壇場なのでJAL系列に対する挑戦状を叩き付けるような行為かもしれません。
今回の鹿児島の動きに先行した争いは四国などでも起こっていて
それぞれが強かった空港に参加のLCCがお互いに新規参入して今までの航空運賃を下げる効果が出てきてはいるようです。
同じような状況はアメリカでも十数年前に起こっていて、そこから予想すると今後価格競争が進めば
今度は各航空会社の現場が疲弊して士気が下がったり
コスト削減による安全対策にお金がかけられなくなる可能性も出来て事故が起こり易い環境になる可能性もあります。
いずれにしても政府の成長戦略が着実に進むことによって
今後、航空業界も拡大成長経営の方針を打ち出す会社が増えることもが予想されることから
奄美群島もこの流れに乗り遅れないよう各航空会社に働きかけを行い
就航後にはその路線を存続させるためには
官民挙げてその路線の利用を増やす措置を継続的に行っていく必要があると思います。
最近、時期を同じくして奄美にLCC誘致を目的とするNPO法人が立ち上げられたようですが
これら組織はバニラ就航後その支援のため上記の「バニラ奄美就航に必要なもの」への支援も含み
バニラの従来の航空会社の予約システムとは違う予約システムのシマンチュに対する案内や
利用者の行動による便遅延対策などをしていかないと
スカイの撤退(運休?)のような二の舞になる可能性があるのでこれら存続支援を行い
(今回のバニラは少なくとも就航発表の時点で約3ヶ月の運航は約束されているので
その間にLCCの分益搭乗率(L/F:ロードファクター)70%越えを目標)
将来的には奄美群島振興交付金を活用しなくても
航空会社による単独運航体制に移行できるぐらい潜在的需要があると思うし可能だと思います。
Posted by Team OUK at 15:00│Comments(1)
│航空情報
この記事へのコメント
日本管財は機内清掃とPBBの操作!
それと、ビルメンです。
奄美航空の間違いです。
それと、ビルメンです。
奄美航空の間違いです。
Posted by 匿名希望 at 2014年04月06日 20:46