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2019年11月25日

日本エアコミューター機材不足

10月27日からの冬ダイヤで徳之島→奄美区間の午前便を復活させて
島間移動の利便性を良くした日本エアコミューター(以下JAC)なのですが
11月になり機材不足による欠航、機材変更、時間変更などが
発生していますのでご利用の方はご注意下さい


奄美諸島12市町村も出資していて
奄美地方の移動に密着しているJACですが
2015年に次期運航機材として
欧州グローバル航空機メーカーエアバス傘下の
ATR社のATR42/72を選定し2017年5月にATR42就航後
JACはそれまで運航していたDHC-8-Q400とサーブ340Bの2機種による運航を
ATR42/72に運航機種を統一し効率化を発表して
2018年11月30日にDHC-8-Q400、2019年11月にサーブ340Bが引退し
ATR42/72計9機運航体制でこの計画が完了する予定でした
https://www.aviationwire.jp/archives/120169

2019年9月にATR42のJAC7号機にあたる機体がメーカー試験飛行中に
エンジン1基停止事案を起こして当初、9月納入予定だった機体は
フランス当局調査が入り納入遅延が発生
(その後約1ヶ月後に試験飛行再開したが11月20日時点でメーカー試験飛行中)
https://www.flightradar24.com/data/aircraft/f-wwln#

JACは北海道の北海道エアシステム(以下HAC)のサーブ340Bや
熊本の天草エアライン(以下AMX)のATR42の機材共有によって
他社機材の年次整備点検による長期欠航を回避する協力をしていて
今年10月26日からサーブ340Bの1機をHACに
11月6日からATR42も1機AMXに貨し出し
11月JACは2機の機材貸し出し、1機は納入遅延する状況で
鹿児島-種子島線で40便の欠航を発表していました
http://www.jac.co.jp/info/pdf/20191028_NOV%20cancel.pdf

こういうことは続くもので
11月19日にHACに貸し出していたサーブ340Bが
函館→札幌/丘珠飛行中にエンジン1基停止事案を起こして
札幌/丘珠空港でエンジンメーカー対応待ちで運航停止
(HACとしては20日からHAC整備完了機材が復帰)
https://www.aviationwire.jp/archives/190433
11月24日にJACのATR42が沖永良部→沖縄/那覇運航後
運航継続不可能なトラブル発生し那覇空港で
運航停止させられています
https://www.mbc.co.jp/news/mbc_news.php?ibocd=2019112500039321&ap=

これら不具合によって暫くJACは従来より3機の機材不足状態が続くものと想像され
(実際、サーブ340Bの引退時期が11月末から12月中に変更されています)
https://www.aviationwire.jp/archives/190506
その不足によって暫く欠航、機材変更、時間変更などが発生するとみられるので
JAC機をご利用予定の方は再度ご利用前に空港や航空券購入されたところへ
運航情報を確認されることをお勧めします

今回の機材不足事案はJACだけで無く国交省も関係していた話(長文)

国交省は2016年頃から「持続可能な地域航空のあり方に関する研究会」を設置して
地域航空会社の脆弱な経営基盤、少数機材運営による高コスト構造、機材故障時等の欠航などの課題があり
運航機材の製造終了等に伴う機材更新や運用要員などの人材確保などの課題が発生する可能性があることから
航空会社の協業や運航地域自治体との連携を検討するため研究会を設置して協議していくとした
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk4_00007.html

ただこの研究会で対象となる航空会社選定に
ANAの幹線を含む運航委託を受けているANAウィングスが入るのに
沖縄の地域航空を担う日本トランスオーシャン航空や琉球エアコミューターが含まれない
歪さがある選定基準は触れられずに協議が進展して
2018年3月27日に持続可能な地域航空のあり方に関する研究会 最終とりまとめ(案) として提出
これを元にJAC、AMX、長崎のオリエンタルエアブリッジ(以下ORC)の九州内3社が先行して
「機材の統一化・共通化」「人員の融通・確保」「運航・整備等業務の共同化」「収益性確保・需要拡大」の観点から
地域航空各社の経営の独自性は維持しつつ、安全推進体制の確立と安定的な運航確保ならびに
効率化を目指したあらゆる協業深化の取り組みを
大手2社(ANA、JAL)の協力を得つつ早期に促進していくことを目的として
地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合
(英語表記:Essential Air Service Alliance LLP、略記:EAS LLP)が設立されています
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku04_hh_000206.html

この議論の中JACは機材効率化のための運航機種統一、AMXとの協力のため
次期運航機材にAMXが先に運航開始していたATR社製ATR42にあわせる形を取って
同じJAL系列HACは従来JACとサーブ340Bでその体制を先行運用していたので
JAC後継機ATR選定時点でHAC後継機も内定してしまった
(因みにHAC後継機は2018年同型機選定、1機目が2019年11月納入予定だったが
本文のメーカー試験飛行トラブルによってこちらも遅延濃厚)

国交省の提起はあたっていて地域航空は何処も経営に厳しく
運航地域自治体の何らかの支援が無ければ運用継続できない状況にあることも明らかなのだが
ANAのANAウィングスを入れてJALのJTA、RACを入れない基準はおかしく
運航機材の統一は効率化による運用コスト削減などの利点も多いが
今回のような統一機材トラブルによる欠航など影響を受けやすい
諸刃の剣になることもあることも検討した上で結論を出して欲しかった
https://www.aviationwire.jp/archives/188118


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